好田矯正歯科       since 1993                   

 問題症例
  (その1)


問題のあった症例の1番目の症例をご紹介します。 
他院で治療開始、途中でトラブルがあったようです。
このようなことは本来あってはならないことですが、最近水面下で相当に増加していると思われます。 話は長くなります。 ”事のおこり”は顛末は最後に載せています。
矯正歯科の医院選びも書いてみました。

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治療前  33才社会人女性 
他院にて抜歯による治療開始。
しかし、すでにここまで3年間経過するも、いまだ抜歯スペースがうまらないことが問題点。
 
お口元の写真
上唇がやや出ているようですが、ご本人はとりたてて問題点にしておられません。
オトガイがしっかりとありますね。
 
  お口の中の写真 
上顎4前歯と犬歯に大きな抜歯の空隙が完全に残っています。(左上
下顎の空隙はほとんどなさそうです。(左下

上下
奥歯の前後的かみ合わせは悪くありません。(右中下)。 
しかし、全体的に深く咬みすぎています。 これが円滑な治療をはばむ問題点です。 このことは患者さんが気づいておられます(後述)が、バカバカしいことに主治医が気づいていないのです。

問題点
決定的な問題点があります。上下ともに第二大臼歯に装置がついていないことです。(左上下

明らかな手抜き治療が行われています。 これが理由で、前歯や側方歯部分の咬み合せが深いままなのです。 明々白々です。
理由はわかりませんが、第二大臼歯については装置をつけないで放置されてあったわけです。(左模型


治療方針
すべての装置の入れ替えです。
このようにレベルの低い治療を踏襲するわけにはまいりません。 
手間はかかりますが装置のポジションはきわめて重要なので、新たに付け替えが必要です。 

また、上下第二大臼歯に装置が必要です。 
全体の咬み合わせを浅くしてから、上顎前歯を後退させます。


手抜きするとどうなるか?
上の模型写真を見てください。 カーブが見られます。 第二大臼歯が伸び上がってますね。 
矯正歯科の治療ゴールは、このカーブをなくしてまっすぐにしないといけません。 第二大臼歯に装置がないと、前に位置する第一大臼歯が沈み込んでカーブがよけいに深くなってしまいます。
 


 
  治療中  お口の中の写真 
治療の最終段階に入っています。

全体の咬み合わせが浅くなっていることが明らかです。 こうならないと上顎の空隙は閉鎖できないです。

もちろん、上下第二大臼歯に装置がつけてあります。(
左上下
上顎の左右の犬歯の見え方が最初とじゃちがうでしょう? 短く見えるでしょう?
歯が歯ぐきにめり込んでいるから短く見えるのです。 
全体の咬み合わせが浅くできている証拠です。


 
 


 
治療後 1年6ヶ月の動的治療を行いました。 

お口元の写真
 
上の唇はへこんだようです。
 
 

お口の中の写真
ほぼ、完璧な状態です。
安定感抜群です。

評価
歯列全体が調和を持ってきれいです。
なんなく問題点を突破することができました。
当然にすべきことをすれば、当然の治療結果がついてまいります。

感想

結局トータルで5年近い月日が費やされました。
全くおろかなことです。 
治療が”うまい”とか”へた”を論じる以前の問題です。

やる気と熱意に欠けた治療は、患者さんから希望を奪い、患者さんを絶望に陥れます。 
今回はその絶望の淵から救い出すことができました。 

こういう方々は、心疲れ心が病んだ状況でお越しになることが多いです。 治療に入る前に、心のケアをする必要のある場合もあります。 

何度も時間をかけてお話を聞いてあげることが大事です。 メールを何十回と交わすこともあります。 痛んだお気持ちを和らげることで希望の光が見えてきます。 そうして、ようやく治療開始につながります。



手抜きしないとどうなるか?
上の模型写真を見てください。 カーブがなくなり平坦化さています。

これが矯正歯科の治療ゴールです。
 

 

  事のおこり
  患者さんのお尋ね

好田先生、はじめまして。
先生の熱心に作っておられるHPを拝見して感動しております。
書き込むかどうか悩みましたが、相談にのって下さい。

矯正を始めて約3年になります。
今は結婚し違う市から通っています。
その間、担当医が辞めたり異動したりして数人変わりました。
そこは大学病院からの月1で医者が来るわけではなくて
同じグループの医院が数箇所あって先生方は異動になったりします。(そこは一般歯科もやっています)

3年たっても上アゴの抜歯の隙間は埋まっておらず、説明を求めても納得のいく答えがもらえません。
ワイヤーもたまにしか変えてもらえないし不信感は募るばかりです。
精神的にも苦痛になってきたので転医を考えております。
今までもうすぐ治る、治ると思って(信じて)がんばってきたのですが
あまりにも進行が遅いので、辛いです。

元々、下の歯がらんぐいで上下とも第2小臼歯抜歯、親知らず4本抜歯してます。
噛み合わせが深く、上下の前後のスペースが足りないため上顎前4本を下げられない状態です。
上顎の抜歯のスペースはたっぷり残っています。

転医は嫌がられると聞きますし、どのようにすすめていったら
いいのか分からず悩んでおります。
一度、好田先生に見ていただけたら・・・と思うのですが
元の歯型の資料などないと無理でしょうか?
資料やレントゲンを出してくれるか分かりませんし・・・。
私としてはもめたくありませんので、ひっそりと転医したいのですが・・・。

好田先生のところでは転医されてきた方はいらっしゃいますか?
私みたいな人はいてるのでしょうか・・・。

よろしくお願い致します。
  回答

きっと、勇気をだして書いておられるのではないかと拝察いたしました。

>担当医が辞めたり異動したりして数人変わりました

うーん。良い環境とはいえませんね。
私も若いときに経験がありますが、前の先生の引継ぎというのはたいへんに仕事がしにくいものです。
たいへんなストレスでした。

>そこは一般歯科もやっています

なおさら良くないですね。
矯正は専門医院で受けることがベストです。
しかも、毎回ドクターが変わるのではなく、いつもたった一人のドクター
(下働きの先生や歯科衛生士ではなく院長先生)が直接、診てくれるのが最良です。
この条件であれば、治療が長引くようなことは少ないと考えます。
治療途中で担当医が交代するのはできれば無い方がいいですね。
ご相談の条件下では、引き継いだ担当医の責任感が薄れてしまうこともあったのではないでしょうか?

>3年たっても上顎の抜歯の隙間は埋まっておらず・・・・

色々と原因はあるのでしょうが、少しおかしいといわざるを得ません。

>下の歯がらんぐいで上下とも第4小臼歯抜歯・・・・
>噛み合わせが深く・・・・

うーん、むつかしそうなケースですね。
前歯の噛みあわせが深く、つまり上の前歯が下の前歯を完全に隠してしまうくらいに
深いかみ合わせ(deep biteといいます)は、
治療によって前歯の噛みあわせを浅くするのは時間がかかります。
このようなケースでは、私は下顎はできるだけ抜歯しないようにしています。
その理由は、前歯の噛みあわせを浅くすることがむつかしくなるからです。

だからといって、あなたの治療が誤りであるといっているわけではありません。
あなたの場合、下顎にらんぐい(でこぼこ)があったわけなので
抜歯せざるを得なかったのでしょう。

>転医は嫌がられると聞きますし・・・・

一般的に、人が手をつけた症例は未治療症例よりむつかしくなっていることのほうが多いですね。

>どのようにすすめていったら・・・・・

まずは、考えていないで他の医療機関の戸をたたいてみるべきと考えます。
相談をおうけになればいかがでしょうか?
私のところでもかまいません。
お近くに矯正専門医があればなおさらいいですね。

>元の歯型の資料などないと無理でしょうか?
>資料やレントゲンを出してくれるか分かりませんし・・・

資料を添付して転医するのは円満な転医の場合のみです。
転勤、転居等の自己以外のどうしようもない理由による場合のみです。
今回のようなトラブルによる転医では資料がないのが当たり前ですね。
このようなことは多いですね。
昔は2−3年に一回程度でしたが、最近は2−3ヶ月に一度、このような相談があります。
資料がないのもめずらしいことではございません。
本来、真に力のあるドクターであれば資料の有無など何の問題もありません。
いかに現状を回復するか、それのみです。

>私としてはもめたくありませんので、
>ひっそりと転医したいのですが・・・。

それでは簡単です。
相手に黙って、行かなければそれで終わりです。
ただし、治療の費用は別にご用意が必要です。
場合によっては全くはじめからやり直しの費用をお支払いになる覚悟を
しておかなければなりません。

以上、最後は厳しい言葉となりましたがご容赦ください。
お答え申し上げます。
  患者さんのお尋ね 2

好田先生、こんにちは。
早速の”力強い”お返事、本当にありがとうございました。
毎日、歯のことばかり考えてしまって不安でしたがホっといたしました。
非常に答えにくい質問にも丁寧にお答えいただき、感謝しております。

私も毎回調整日に進展がないので「おかしいな」と思いながらほぼ”惰性”で通っておりました。
3年前、インターネットをまだしておらず情報の収集不足のまま矯正を始めてしまったという後悔もあります。

後ろを見てばっかりでもしょうがないので、思い切って
好田先生の所で一度予約を入れさせていただきたいと思っております。
茨木までは遠くありませんので。
資料等が必ずしも必要でない、ということも安心致しました。

噛み合わせですが下の歯が全部隠れるほど深くはありません。
半分ほど隠れてはいます。
元々深かったのかもしれませんがよく覚えておりません。。。

どうしても綺麗な歯にしたいので、頑張っていこうと思います。
訪問した際は宜しくお願い致します。
ありがとうございました。
  回答 2

はい、了解しました。


      
  
   患者さんが矯正歯科を選ぶときの困難さ
 
  結局その一言につきる。
今回のトラブルはどの医院においてもおこりうる可能性がある。
それではどうして患者はそのトラブルを避けるのか?

患者心得の条

その壱 矯正歯科専門医院へ行くべし。 
       歯科併設の矯正歯科は避けるべき。
       矯正の先生が月1−2回訪問するような治療環境は劣悪である。 
       担当医が交代する可能性が高く、今回もその例であった。
      
       歯科の院長が片手間に矯正歯科をあつかうところも避けるべき。
       現代の矯正歯科の治療はそれほど簡単ではない!高度に専門科している。
       治療例のトータルの数が少なく経験が乏しい。
       小児矯正の数が多いのが普通なので、成人の矯正の経験が少ない。

     

その弐 せめて認定医をもつ矯正歯科専門医院へ行くべし。
      認定医や指導医の資格があるから安心というわけでは決してない。
       しかし、何も資格を持っていないところをわざわざ選ぶべきではない。
       その壱で述べた歯科併設の所は認定医でないことが多い。


その参 できれば専門医(日本矯正歯科学会が認めた)を選ぶべし。
      この制度は2006年に始まったばかりの制度で認知されていないが、
        今後重要な資格になると思われます。 名簿はまだ公開されていません。
       現在の認定医が多すぎる、指導医が臨床レベルの評価基準で選ばれてない、
       との理由で専門医制度が新設されました。
 

その四 自分の目で中身を確かめるべし、壱から参は表面的。
      友達が通っていて良かった、という情報だけで選ぶべきではない。
                    担当する先生と肌が合わなくては仕方がない。
       できるだけお話してみよう。
       現代ならメールで問い合わせるのもよいと思う。
       
       矯正の質問もしつこいくらいに聞いてみよう。 答えるのをいやがる先生はやめておこう!
       先生があなたに正面から真摯に向き合ってくれるかどうかが一番の問題。
       いざ、治療が開始されて先生があなたの話を聞いてくれなかったら困るよ、今回もその例だった。

その伍 誰があなたを処置するのか、確かめるべし。
      
その医院の診療実態を見ないといけない。
       相談のあいだはわからないが、しばらく見学させてもらえば簡単にわかる。
       院長先生が処置するのか別の手伝いの先生なのか、または女性スタッフにさせているのか?
       
       院長先生がすべてを処置してくれるのが理想であり、トラブルはおこりにくい。
       周りのスタッフにやらせるところはトラブルがおこりやすく、いったん起こると重度なトラブルになりがち。
       上記の壱から四まで納得がいっても、この伍がいいかげんなら問題が生じる可能性は高い。

       先生が診てくれない・・・、という相談(苦情)は結構多い。

その六 費用を確認すべし。
     
治療費用には相場というものがある。 特に高いものや特に安いものは敬遠すべし。
       ちょうどほどよいところが良い。 
       現在の矯正は新しい装置に費用がかなりかかるため、安くて良い治療はできない。
       必ずしも高いほうが良いとはいえないが、安くてよいという所は材料で古い規格の安物が使用されている
       可能性がある。 
 

とりあえず書いてみたが、今後基準は追加されるかもしれない。
ともかく、歯や歯列の治療は、はっきり言うと不要不急のものである。
命がかかっているわけでもなく、悪いからといって急に困ることも少ない。

だから、他の全身の病気(癌等)に比較して治療を受ける人の納得がより必要である。

これから治療を考えている人は、このことを忘れるべきではない!

 

 
 

 


   

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