好田矯正歯科/症例(治療例)

 
 

  


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 下顎前突症
  (その5)


下顎前突症の5番目の症例をご紹介します。
前歯の反対咬合ではないですが、骨格性の下顎前突症例でした。
この方のご希望は”下あごの歯の凸凹を治したい”ということです。

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治療前  14歳 中学生女性
女性の場合はこれ位のお年のなられますと、成人と同じようにご自分の意見や治療へのご希望をはっきりと口にできるようになりますね。 この方もそうでした。 しっかりした子だなあと思いました。 

ご覧の通り、凸凹が下顎の前歯に集中しています。 程度としては中程度ものですが、比較的簡単に治るケースですね。 ただし、このケースにはどうしようもなく困ることがありました。 あとからお話します。

 
お口元の写真
上下の唇の状態は良好です。こんなふうになればいいな、と思っておられる方は多いと思います。 
オトガイはやや前にでているかもしれません。 少々、下顎前突症(受け口)傾向の骨格であることがうかがえます。 正面から見ると、オトガイがとがったように見えますね。  さらに、下唇からオトガイの下端までがやや長く見えます。 これらも”受け口”骨格の象徴的な特徴です。
  
 
  お口の中の写真 
下顎のみに前歯部に集中的に叢生(凸凹)が目だちます。 前歯がきれいに並ぶために必要な場所が足りないからです。 前歯1本が完全に歯列(歯のならび)から前に飛び出しています。 そして、歯肉(歯ぐき)がひどく退縮してしまっています。 

当該歯と歯肉の境目を見てください、歯肉が白っぽく写っています。 この部分はすでに骨も失われています。


一方、上顎の歯並びはさほどに悪くありません、四角いアーチ型をしていますが下顎に比較してかなり良い状態ですね。 左右の前歯は不ぞろいです。
  また、奥歯の上下の歯の関係は下顎近心咬合つまり、下顎の歯が前に来ている、つまり受け口関係のかみ合わせになっています(写真ではわかりにくいです)。 おかしいって? 前歯が受け口になっていなくても、奥歯が受け口の関係にあることもあるのです。     
 

診断と治療方針

この症例の分類は”叢生を伴う骨格性下顎前突症”と診断しました。 下顎左右側第一小臼歯2本のみを抜歯して、エッジワイズ装置によって治療を行いました。 

上顎の抜歯はしないことにしました(この抜歯部位について後ほど解説します)。
下の前歯1本のみを抜歯するという方法もありますが、これはセオリーからはずれるやり方なので私は好みません。 
前歯の抜歯は抜歯部位付近の歯肉(歯ぐき)の退縮がよけいにひどくなります。


歯は本来あるべき骨の中心から大きくはずれて位置すると、歯の周りの骨や歯肉(歯ぐき)までもが自然に失われてしまうのです。 この原則をよく覚えておいてもらいたいです(FAQ42のBも参考に)。 さあ、これほどまでに失われた組織を矯正治療でどれほどまでに回復させることができるでしょうか? 完全な回復は無理です。 この点にも注意して治療結果をご覧下さい。
 




 
治療後 1年10ヶ月の動的治療を行いました。 
知療期間としては、この程度でまずますと考えています。 最近の中学生の方は勉強やクラブでお忙しいので、結構早い方だとおもいますがどうでしょうか

お口元の写真
 
上下唇の状態はほとんど変化がないようです。 横から見ると、オトガイ部が前に出てきたようです。 
下顎の前方への成長が最後に少し残っていたようです。 下顎の成長は首から上の部分では一番最後まで成長が続く部分だからです。 
受け口の矯正治療では、この下顎の成長が治療を困難にする要素となっています。 正面から見ると、お顔が少々フックラされたようで、その影響もあったのかもしれません。  
 
 

感想
 
このようにして、様々な問題点を払いのけながらより良い治療結果を得ることができました。 
抜歯の本数も少なくてすみ、親知らずを利用するという合理的な考え方が治療で実行できよかったと思います。

お口の中の写真
下前歯の状態はたいへん良くなりましたね。 上下の歯列は調和のあるU字型になりました。 さあ、例の下顎前歯の件です。 歯ならびはきれいになったでしょう。 しかし、歯肉(歯ぐき)の退縮が目だちます。 歯と歯の間に三角形の空隙が生じています。 一部は回復しているようですが、 元々下の1本の前歯の周囲には相当の歯ぐきの退縮があったので完全な回復ができないのは仕方がないことです。 
 また、叢生では歯と歯がくっつきすぎていて、本来あるべき歯肉が元から存在しません。 歯肉がないのです。 治療によって叢生が解消され、歯と歯の距離が本来のものになっても元々歯肉が”ない”ので空隙が生じてしまいます(症例ClassT−4もご参考に)。
成長期にあれば多少の回復に期待できますが、この症例は元が悪すぎました。 可能であれば小学生のうちに前歯の問題は解決しておけばよかったですね。
 

 奥歯の上下のかみ合わせは緊密で機能的にも良い状態と考えられます。 ただし、上顎は抜かない治療でしたので、上下で歯の数が合わなくなっています。 上記の写真の咬合様式を専門用語で”Full ClassV(フルクラスV)の咬合状態”と表現します。 写真に写っている範囲では何も問題がないように見えます。専門家でない方にはそのように思えるのではないでしょうか。 このページをお読みのあなた、いったい何がいけないのかわかりますか?


問題点は、写真には写っていませんが上顎の一番後ろの歯(第二大臼歯)は対合するはずの歯が下顎にないということです。 これは、下顎のみ抜歯をしているからです。 この咬合様式では上顎最後方の第二大臼歯は全く機能しない状態です。 放置しておくと、上顎第二大臼歯はどんどん伸び続け奥歯の咬合が崩壊につながるのです。 フルクラスVの状態で終了すると必ずこうなるのです。 さあ、たいへんです。 
 
 さて、私は15年ぶりにフルクラスVの咬合様式を採用しました。 上記の理由で長らく使わなかったのですが、今回は一定の解決方法を考えた上で特別に採用したのです。
 この人には下顎に第三大臼歯(親知らず)の存在があらかじめレントゲンで確認されていました。 その第三大臼歯を上顎最後方の第二大臼歯にかませてやればよいのです。 

ただし、下顎第三大臼歯の萌出(生えること)は18歳位ですので、あと2−3年待たなければなりません。 そこで、上顎第二大臼歯が勝手に伸び続けないように暫定的な処置をして、2−3年待つことにしました。 後は下顎の親知らずが生えるのを待つだけです。 なお、この方法は下顎に親知らずが存在しなければ採用できない特殊な方法です。    




 


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●サイトの作製責任者 院長 好田春樹  歯学博士 日本矯正歯科学会認定医 日本矯正歯科学会専門医
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