好田矯正歯科/症例(治療例)

 
 

  


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 下顎前突症
  (その5)


下顎前突症の5番目の症例をご紹介します。
前歯の反対咬合ではないですが、骨格性の下顎前突症例でした。
この方のご希望は”下あごの歯の凸凹を治したい”ということです。

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好田矯正歯科 大阪府茨木市駅前1-2-24  TEL 072-620-6048

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治療前 

14歳 中学生女性
女性の場合はこれ位のお年のなられますと、成人と同じようにご自分の意見や治療へのご希望をはっきりと口にできるようになりますね。 この方もそうでした。 しっかりした子だなあと思いました。 

ご覧の通り、凸凹が下顎の前歯に集中しています。 程度としては中程度ものですが、比較的簡単に治るケースですね。 ただし、このケースにはどうしようもなく困ることがありました。 あとからお話します。

 
お口元の写真
上下の唇の状態は良好です。こんなふうになればいいな、と思っておられる方は多いと思います。 
オトガイはやや前にでているかもしれません。 少々、下顎前突症(受け口)傾向の骨格であることがうかがえます。 正面から見ると、オトガイがとがったように見えますね。  さらに、下唇からオトガイの下端までがやや長く見えます。 これらも”受け口”骨格の象徴的な特徴です。
  
 
  お口の中の写真 
下顎のみに前歯部に集中的に叢生(凸凹)が目だちます。 前歯がきれいに並ぶために必要な場所が足りないからです。 前歯1本が完全に歯列(歯のならび)から前に飛び出しています。 そして、歯肉(歯ぐき)がひどく退縮してしまっています。 

当該歯と歯肉の境目を見てください、歯肉が白っぽく写っています。 この部分はすでに骨も失われています。


一方、上顎の歯並びはさほどに悪くありません、四角いアーチ型をしていますが下顎に比較してかなり良い状態ですね。 左右の前歯は不ぞろいです。
  また、奥歯の上下の歯の関係は下顎近心咬合つまり、下顎の歯が前に来ている、つまり受け口関係のかみ合わせになっています(写真ではわかりにくいです)。 おかしいって? 前歯が受け口になっていなくても、奥歯が受け口の関係にあることもあるのです。     
 
診断
叢生を伴う骨格性下顎前突症”と診断しました。

治療方針
下顎左右側第一小臼歯2本のみを抜歯して、エッジワイズ装置によって治療を行いました。 

上顎の抜歯はしないことにしました(この抜歯部位について後ほど解説します)。
下の前歯1本のみを抜歯するという方法もありますが、これはセオリーからはずれるやり方なので私は好みません。 
前歯の抜歯は抜歯部位付近の歯肉(歯ぐき)の退縮がよけいにひどくなります。

使用装置
歯の外側のエッジワイズ装置


歯は本来あるべき骨の中心から大きくはずれて位置すると、歯の周りの骨や歯肉(歯ぐき)までもが自然に失われてしまうのです。 この原則をよく覚えておいてもらいたいです(FAQ42のBも参考に)。 さあ、これほどまでに失われた組織を矯正治療でどれほどまでに回復させることができるでしょうか? 完全な回復は無理です。 この点にも注意して治療結果をご覧下さい。

 

 

治療後

1年10ヶ月の動的治療を行いました。 
最近の中学生の方は勉強やクラブでお忙しいので、なかなか予約の時間が合わないことが多いです。これ位は辛抱してもらいたいですね。

お口元の写真
 
上下唇の状態はほとんど変化がないようです。 横から見ると、オトガイ部が前に出てきたようです。 
下顎の前方への成長が最後に少し残っていたようです。 下顎の成長は首から上の部分では一番最後まで成長が続く部分だからです。 
受け口の矯正治療では、この下顎の成長が治療を困難にする要素となっています。 正面から見ると、お顔が少々フックラされたようで、その影響もあったのかもしれません。  
 
 


お口の中の写真
下前歯の状態は改善されました。 上下の歯列は調和のあるU字型になりました。 さあ、例の下顎前歯の件です。 歯ならびはきれいになったでしょう。 しかし、歯肉(歯ぐき)の退縮が目だちます。 歯と歯の間に三角形の空隙が生じています。 一部は回復しているようですが、 元々下の1本の前歯の周囲には相当の歯ぐきの退縮があったので完全な回復ができないのは仕方がないことです。 
 また、叢生では歯と歯がくっつきすぎていて、本来あるべき歯肉が元から存在しません。 歯肉が最初からないのです。 
 治療によって叢生が解消され、歯と歯の距離が本来のものになっても元々歯肉が”ない”ので空隙が生じてしまいます(症例ClassT−4もご参考に)。
成長期にあれば多少の回復に期待できますが、この症例は元が厳しかったです。 可能であれば小学生のうちに前歯の問題は解決しておけばよかったですね。 

 奥歯の上下のかみ合わせは緊密で機能的にも良い状態と考えられます。 ただし、上顎は抜かない治療でしたので、上下で歯の数が合わなくなっています。 上記の写真の咬合様式を専門用語で”Full ClassV(フルクラスV)の咬合状態”と表現します。 写真に写っている範囲では何も問題がないように見えます。専門家でない方にはそのように思えるのではないでしょうか。 このページをお読みのあなた、いったい何がいけないのかわかりますか?

問題点は、写真には写っていませんが上顎の一番後ろの歯(第二大臼歯)は対合するはずの歯が下顎にないということです。 これは、下顎のみ抜歯をしているからです。 この咬合様式では上顎最後方の第二大臼歯は全く機能しない状態です。 放置しておくと、上顎第二大臼歯はどんどん伸び続け奥歯の咬合が崩壊につながるのです。 フルクラスVの状態で終了すると必ずこうなるのです。 さあ、たいへんです。 
 
 さて、私は15年ぶりにフルクラスVの咬合様式を採用しました。 上記の理由で長らく使わなかったのですが、今回は一定の解決方法を考えた上で特別に採用したのです。 この人には下顎に第三大臼歯(親知らず)の存在があらかじめレントゲンで確認されていました。 その第三大臼歯を上顎最後方の第二大臼歯にかませてやればよいのです。 

ただし、下顎第三大臼歯の萌出(生えること)は18歳位ですので、あと2−3年待たなければなりません。 そこで、上顎第二大臼歯が勝手に伸び続けないように暫定的な処置をして、2−3年待つことにしました。 後は下顎の親知らずが生えるのを待つだけです。 なお、この方法は下顎に親知らずが存在しなければ採用できない特殊な方法です。   


感想
 
このようにして、様々な問題点を払いのけながら改善を得ることができました。 
抜歯の本数も少なくてすみ、親知らずを利用するという合理的な考え方が治療で実行できよかったと思います。 




●ここまでの治療費(消費税含む、令和元年5月1日現在)
検査料5.8万円
矯正料69万円
再診料3800円x22回

この治療で生じる可能性があるリスク説明
◆すべての治療が計画通りに行くとは限りません。努力しても目標に到達できないこともあります。
様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する場合があります。
矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。治療開始は慎重な決断が必要です。
◆上記の治療期間はおおよその目安で、歯の動き方や治療内容に個人差があるので治療期間が延長することがあります。
最初は矯正装置による不快感、お口の内側に痛み等があります。装置に慣れる期間が必要です。
◆歯の移動時には浮いたような感じがあり、痛みを伴うことがあります。
装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療にはあなたのご協力が非常に重 要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
治療中は装置が付いているため歯が磨きにくくなります。治療中にはしっかりと歯と歯ぐきの清掃をしないと虫歯や歯周病ができることがあります。
◆口腔衛生管理はあなたの自己責任でしっかりと行ってください。定期的なメンテナンスも積極的に受けてください。
◆症例によっては、歯が動いて 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
◆症例によっては、歯ぐきが退縮する場合があります。
◆症例によっては、歯根吸収が生じて短くなる場合があります。
◆症例によっては、歯髄の
神経が障害を受けて歯髄壊死が生じる場合があります。
◆症例によっては、
歯と骨が癒着していて歯が動かない場合があります。
◆症例によっては、金属等のアレルギー症状が出る場合があります。
◆症例によっては、歯を失う場合があります。
◆関節の状況が元々よくない人は、
「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症が発症することがあります。
◆症例によっては、歯が破接する場合があります。

◆症例によっては、歯の表層のエナメル質に元からあるクラック(ひび)が目立つことがあります。
◆人工物が装着されている歯は、傷ついたり破折したりすることがあります。

◆人工物が装着されている歯は、人工物と歯の継ぎ目が目立つことがあります。
◆人工物が装着されている歯は、矯正治療前中後に作り直さないといけないことがあります。

矯正装置を誤飲する場合がありますのでご注意ください。
矯正用アンカースクリューを複数本数使用する可能性があります。
◆ストリッピング、カウンタリングといって歯と歯の間や歯の先端の形を整えたり、咬み合わせの微調整のために歯を削ることがあります。
◆矯正 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する 可能性があります。
 ※エナメル質には元からクラック(ひび)があります。このクラックは経年的に増えてゆきます。
◆矯正 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。再治療等が必要になる こともあります。
◆矯正
装置が外れた後、保定装置をしっかり使用しても歯は少し動いたり隙間があいたりすることがあります。
◆これをできるだけ最小限にとどめるために保定処置できるだけ長く使用しましょう。
◆矯正
装置が外れた後、骨格の成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する場合があります。
◆矯正装置が外れた後、加齢や歯周病等により歯を支えている骨が吸収すると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。
◆矯正装置が外れた後、第三大臼歯を(親知らず)を抜歯しないと思わぬ悪い結果につながることがあります。
◆治療は長期になります。 将来、その他不測の事柄が現れることもあります。

◆装置の作製、撤去には長い時間が必要です。 あなたのご協力をお願いします。

◆治療の予約時間は、混雑時には常にご希望のとおりにできないことがあります。
◆できるだけ毎回説明を含めながら治療をすすめますが、お口の状態は毎回変化しますので、  説明内容や治療手順は前回の説明と細かな点で異なることもあります。
◆矯正料はご予定の期日までに郵便振込でお支払い下さい。お支払方法は治療の進行に従って分割でお支払いください。
◆矯正料のお支払いが予定期日より大きく遅れますと、治療を継続できなくなることがあります。
◆虫歯の検診や治療費および抜歯等の外科的処置は上記の矯正費用に含まれていません。
矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)の費用はすべて含まれています。
白いワイヤーのご使用は、一回あたり追加費用1500円が必要です。ただし、治療段階によってご使用いただけないことがあります。
◆治療に必要な歯ブラシはご購入いただきます。
◆あなたの結婚式等の自己都合で装置を撤去ご希望の場合、5000/歯の別の費用が必要です。
◆上あご前歯にはセラミック製装置を使用します。
◆下あご前歯には金属製装置を使用します。セラミック製装置を使用すると上あご前歯の先が欠けてしまうことがあるからです。
  それでもセラミック製装置を使用して生じる問題については患者様の自己責任となります。
 セラミック製装置から金属装置への交換は、5000/歯の費用が必要です。
◆矯正装置を紛失または破損されますと、再診料に加えて別途費用(材料費等)が発生します。(1000-20000)
◆領収書は再発行しておりませんので大切に保管しましょう。
◆再診料は将来改訂されることがありますのでご了解ください。
◆当院では、治療内容や結果を学会等で学術的な目的に使用する場合があります。


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