好田矯正歯科/症例(治療例)

 
 

  


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 上顎前突症
 (その8)

上顎前突症の8番目の症例をご紹介します。
複数の歯が欠損していて、上顎の前歯の前突と奥歯の咬合の厳しい症例でした。

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治療前 


 

 

 

 

37歳女性主婦
歯科医院からの紹介お越しになりました。
 "下顎の歯の欠損が多く奥歯が前に傾斜していてブリッジの治療ができないので、
MTM(一部矯正)で下の奥歯を直立させてもらって下さい"
 
という依頼内容でした。
ところが、それに加えて患者さんは上の前歯の根元の歯ぐきが盛り上がって出ていることの方を気にされました。
 
お口元の写真
上の唇がやや出ていて、鼻の下の部分も厚みが豊かに感じます。 
上唇の赤唇部(赤い部分)が厚く見えます。
 
 

お口の中の写真 
上顎前歯3本が連結された”差し歯”です。
元々の上顎前歯はかなり前突したものと予想されます。 この前歯の傾斜を人工的に内側に倒して作製されたため、根っこの部分のみが前に出て見えて違和感があるのです()。

上顎の右側の小臼歯が一本足りません。
左側ぼ第一大臼歯が大きく削られていびつな形になっています。 右側の第一大臼歯は古い金属冠で歯の一部が露出しています(左上)。

下顎には欠損が複数あります。
右側は第一大臼歯が、左側は第二小臼歯と第一大臼歯がありません。 後ろの大臼歯がひどく傾斜しています。 歯を喪失してから相当の長期間放置されたようです。 咬合は完全に崩壊しています(右下模型)。

診断 
上顎前歯の歯ぐきの部分が出ているということは上顎前突症です。 
治療方針
上顎前歯の差し歯を一時的に作りかえます。(理由は、詳しくは次で説明します。)

上顎でどこかの歯を抜歯したいのですが、歯が悪いので考慮が必要です。 左側は削られた第一大臼歯を抜歯し、右側は古い金属冠を撤去して得られるわずかな隙間を使います。

下顎は前に傾斜した大臼歯を直立させて、将来のブリッジによる歯科治療を受けやすくします。 欠損部位を完全に閉鎖することは不可能ではありませんが、上下の奥歯の関係からするべきではありません。

MTM治療では限界を超えています。
全体の矯正治療が必要です。

使用装置
歯の外側のエッジワイズ装置



模型 
上下の歯を咬まないようにうかせてあります。

 

治療開始準備
 
お口の中の写真 
上顎前歯には3本が連結された差し歯がありました。 この連結を解かなくては歯が動きません。 矯正治療の前段階として仮歯に換えます。 

仮歯を作る際には工夫が必要です。

上顎前歯は元々かなり前突したものを傾斜を人工的に内側に倒して作製されたことは先に述べました。

仮歯は元々の歯の状況をできるだけ推測して再現します。 
仮歯の傾斜は前突の状況にしないといけません。 

そうしてから、矯正で仮歯の傾斜を改善します。 すると、仮歯の歯冠と歯根部分の両方が後退します。 歯ぐきのもっこりと盛り上がった部分がへこむわけです。

 また、仮歯の長さにも配慮します。
上顎前歯の左右の歯ぐきのラインを見て下さい。 明らかに左右差がありますね。

この差にあわせて、左右の仮歯の長さも差をつけおきます。 つまり右側(向かって左側)の仮歯の長さを短くするわけです。 

そうしてから、矯正で左右の仮歯の先端を合わせます。 すると、左右の歯の歯ぐきのラインが合って来ます。

 
 

治療後

 

 

 

 

1年7ヶ月の動的治療を行いました。 

お口元の写真
 
上唇部分が少し引っ込みました。(私の主観です。)
上唇の赤唇部分が薄くなったように見えます。 (私の主観です。)

 

 
 


模型
下顎の前方に傾斜した大臼歯を直立できています。 ブリッジの治療がしやすくなり良い補綴物(ブリッジの本体のこと)が装着されました。 咬合平面が水平化できています。
改善の見られる治療結果です!
お口の中の写真
奥歯の上下のかみ合わせは、1対2歯に咬みこみ良好な状態です。(右中下) 
歯列の形状も理想的です。(左上下

上顎左右の前歯の歯ぐきのラインは、見事に一致しました。 差し歯は審美性の良いものが入れていただけるでしょう(右上)。

”上顎の歯ぐきのもっこり感”はどうでしょうか?
少しは改善したようです。 下顎の前歯との関係をご覧いただければわかるでしょう。
上顎は抜歯する歯についての制限を受けたので、ちょっと残念ですがしかたがないでしょう。

上下歯列の中央は上下で一致していませんが、差し歯の治療で合わせることができます。
右上

上顎の左側の第二大臼歯も大きく削られていましたので、わざとスペースを空けて動的治療を終了しています。 第二大臼歯の歯科的治療で歯を大きくして作っていただきます。(左上

下顎はブリッジの治療を先に済ませてから、矯正装置を撤去しました。 
こうしないと歯が簡単に動いてしまって、歯科治療ができないからです。(左下

今後の予定
上顎の右側の第一大臼歯と左側の第二大臼歯の歯科的治療。 保険治療では金属冠になるでしょう。 半年ほど間隔をあけてから、上顎前歯のセラミック冠による審美的治療が歯科の主治医の元で行われます。
完成すれば報告します。


評価
長らく歯科の治療を放置されていて咬合が崩壊していましたが、歯科と矯正歯科の総合力で咬合を再生することができました。 とても良い治療内容であると思います。

歯を失った方でも、考えて治療を行えばなんとかできるチャンスが生まれます。

前歯が差し歯の方
このように矯正の前段階を丁寧に行えばが矯正後の審美歯科的治療もうまくゆくことがおわかりになったと思います。 

 

 
●ここまでの治療費(消費税含む、令和元年5月1日現在)
検査料5.8万円
矯正料69万円
再診料3800円x19回

この治療で生じる可能性があるリスク説明
◆すべての治療が計画通りに行くとは限りません。努力しても目標に到達できないこともあります。
◆上記の治療期間はおおよその目安で、治療内容によれば更に時間が必要なこともあります。
◆装置に慣れるまでお口の内側が痛いことがあります。
◆歯の移動時には痛みが伴うことがあります。
◆治療中にはしっかりと歯と歯ぐきの清掃をしないと虫歯や歯周病ができることがあります。
◆口腔衛生管理はあなたの自己責任でしっかりと行ってください。
◆症例によっては、歯ぐきが退縮することがあります。
◆症例によっては、歯根吸収が生じる場合があります。
◆症例によっては、歯髄壊死が生じる場合があります。

◆症例によっては、歯を失う場合があります。
◆症例によっては、歯が破接する場合があります。

◆症例によっては、歯の表層のエナメル質に元からあるクラック(ひび)が目立つことがあります。
◆人工物が装着されている歯は、傷ついたり破折したりすることがあります。

◆人工物が装着されている歯は、人工物と歯の継ぎ目が目立つことがあります。
◆人工物が装着されている歯は、矯正治療後に作り直さないといけないことがあります。

◆関節の状況が元々よくない人は、顎関節症が発症することがあります。
◆動的処置後に装置を撤去しますが、必ず歯は少し動いたり隙間があいたりすることがあります。
 これをできるだけ最小限にとどめるために保定処置は重要です。 2年間は必ず通院してください。
矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)を複数本数使用する可能性があります。
◆矯正治療後に第三大臼歯を(親知らず)を抜歯しないと思わぬ悪い結果につながることがあります。
◆治療は長期になります。 将来、その他不測の事柄が現れることもあります。
◆ストリッピング、カウンタリングといって歯と歯の間や歯の先端の形を整えるために削ることがあります。
◆装置の作製、撤去には長い時間が必要です。 あなたのご協力をお願いします。

◆治療の予約時間は、混雑時には常にご希望のとおりにできないことがあります。
◆できるだけ毎回説明を含めながら治療をすすめますが、お口の状態は毎回変化しますので、  説明内容や治療手順は前回の説明と細かな点で異なることもあります。
◆矯正料はご予定の期日までに郵便振込でお支払い下さい。お支払方法は治療の進行に従って分割でお支払いください。
◆矯正料のお支払いが予定期日より大きく遅れますと、治療を継続できなくなることがあります。
◆虫歯の検診や治療費および抜歯等の外科的処置は上記の矯正費用に含まれていません。
矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)の費用はすべて含まれています。
白いワイヤーのご使用は、一回あたり追加費用1500円が必要です。ただし、治療段階によってご使用いただけないことがあります。
◆治療に必要な歯ブラシはご購入いただきます。
◆あなたの結婚式等の自己都合で装置を撤去ご希望の場合、5000/歯の別の費用が必要です。
◆上あご前歯にはセラミック製装置を使用します。
◆下あご前歯には金属製装置を使用します。セラミック製装置を使用すると上あご前歯の先が欠けてしまうことがあるからです。それでもセラミック製装置を使用して生じる問題については患者様の自己責任となります。
 セラミック製装置から金属装置への交換は、5000/歯の費用が必要です。
◆矯正装置を紛失または破損されますと、再診料に加えて別途費用(材料費等)が発生します。(1000-20000)
◆領収書は再発行しておりませんので大切に保管しましょう。
◆再診料は将来改訂されることがありますのでご了解ください。
◆当院では、治療内容や結果を学会等で学術的な目的に使用する場合があります。

 


   

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●サイトの作製責任者 院長 好田春樹  歯学博士 
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