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 上顎前突症
 (その16)

上顎前突症の16番目の症例をご紹介します。
33歳 OL ガミースマイルと左側の奥歯が全く咬まない状態でした。
歯科矯正用アンカースクリューを使って非抜歯で治療した例です。

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治療前 

33歳 OL
この方は、笑ったときに上顎の歯ぐきが目立つこと(ガミースマイル)と、下の奥歯が内側にひどく倒れていて咬めないことを主訴にされています。 
特に難度の高いケースです。

お口元の写真

上の唇が少し出ているように感じられます。骨格の出っ歯かもしれません。
下唇とオトガイの間に深い溝があります。頤唇溝といいます。もう少し浅いほうが美しいと思います。
確かに笑うと、歯ぐきが著しく露出しますね。この程度になれば気にする方が多くなると思います。

 
お口の中の写真
前歯のかみ合わせがうんと深いです。 難度が高いです。中央上写真
上の前歯が内側にうんと傾斜しています。入り込みすぎです。ここまで入り込むと根っこの部分の骨が前に出てきます。
お口元の写真でもそうだったでしょう? 上唇が出てましたね。左上写真
上あご全体を見ると、左側(向かって右側)に歯列が広がってしまっています。左下写真
下の前歯も内側に傾斜しているのです(写真ではわかりにくいけれど)。中央下写真
特に左側(向かって右側)の奥歯が内側にひどく傾斜して入り込んでいます。おかげで第一小臼歯が外に飛び出してしまってます。中央下写真
左側(向かって右側)奥歯のかみ合わせは特に異常です。上奥歯が外側へした奥歯が内側へと完全にすれ違いの咬合になっています。これを鋏状咬合、シザーズバイトと言います。めちゃくちゃ難度が高い症例となっています。右側上下写真
歯列には上下ともに叢生(でこぼこのこと)がかなりあります。

上顎前歯は内側に倒れ込んでいます。傾斜がおかしいのです。内側に傾斜しすぎです。
前歯の根っこの部分が逆に外側に突き出ています。
笑うとこの骨と歯ぐき部分が前に露出してくるのです。
前歯が下に伸びていて、傾斜もおかしい。 これがガミースマイルの原因です。

奥歯の上下のかみ合わせ関係を見ると、上顎の奥歯が下顎の奥歯よりも少し(1-3mm)前にある関係です。軽度ですが”U級大臼歯関係” と呼びます。
上顎の奥歯が前に来ている不正咬合も”上顎前突症”または”出っ歯”に分類されるのです。

診断 
前歯の過蓋咬合と左側鋏状咬合を伴う上顎前突症

治療方針
上下顎前歯の傾斜を正しくします。前歯は内側に倒れ込みすぎです。
 上顎前歯の根っこの位置を後退させます。骨と歯ぐきの位置がへっ込みます。

上顎前歯を骨にめり込ませる。咬み合わせを浅くしてゆきます。ガミースマイルが改善できます。

上顎左側臼歯が外側に広がったものを内側に入れます。

下側左側臼歯が内側に倒れたものを外側に起します。

上顎歯列全体の後方移動
 上顎奥歯を後退させます。これによって、上顎前歯の歯根を後退させる場所を作ります。
 しかし、この治療方法は簡単ではありません。10年以前ではほぼ不可能な計画でした。
 歯科矯正用アンカースクリュー(OAS、矯正用インプラントのこと)の出現で可能になりました。

非抜歯です。小臼歯の抜歯はしません。このケースで抜歯をするのは完全な誤りの診断です。

小臼歯4本抜歯について
 
上顎前歯が内側に倒れ込んでいます。この様な場合には抜歯はできません。抜歯するととんでもないことになってしまいます。前歯が過蓋咬合ですね。こういう場合も抜歯はしないのが通常です。

 

 

治療中 (開始4か月)

治療開始4か月です

治療方針のをやっています。(上左)
上顎前歯をOASを用いてめり込ませます。この症例ではポイントの一つです。前歯を持ち上げて、上顎歯列のワイヤーを水平に持ってゆきます。現状は水平どころではないですね(上中央)。 ワイヤーはグニャグニャですね。これをまっすぐにするのです。

治療方針のをやっています。(下左)
外側に広がった臼歯を内側に入れています。左側の歯列は狭くなってきます。
鋏状咬合、シザーズバイトの場合、上顎大臼歯が伸びてしまって下に落ちてきていることがほとんどです。それも元に戻さないといけません。大臼歯の上側にOASを使用して、大臼歯もめり込ませています。(上右)

 

 

治療中 (開始12か月)

 
治療開始12か月です

治療方針のが効果を示しています。(上左) ワイヤーがまっすぐになっています。(上右)
上顎前歯が圧下(めり込んで)できてきたので、下顎前歯が見えてきました。
たまたまですが、前歯のOAS1本脱落してしまいました。でも、問題はないです。このパートは、ほぼ目的を達成しています。追加してつけ直さなくても大丈夫でした。

治療方針のが効果を示しています。(下左) 上顎の歯列の形が左右対称に整いつつあります。
上顎左側大臼歯も圧下(めり込んで)できてきています。(上右) その結果、下顎の大臼歯が見えてきて来ています。

治療方針のをやっています。(下右) ここにもOASを2本使用しています。
下顎左側の臼歯3本が内側に倒れてしまっています。これを外側に起してゆきます。
これを治す時に注意しないといけないのは、臼歯が伸び上ってくることです。これを生じさせてはいけません。
この防止のために、OASを使用して臼歯が伸び上らないように圧下(めり込む)できるようにしています。(下右)
上下顎の歯列に黄色い紐のようなものが着いています。これはゴムです。顎間ゴムと言います。
上顎大臼歯を内側に、下顎大臼歯を外側に同時に動かすことができます。とても効果の上がる使い方です。
しかし、注意も必要です。これを使うと、上下顎の大臼歯はゴムの力で伸び上ってくることです。それを防止しながらしないといけません。このゴムは薬にも毒にもなります。細心の注意が必要です。OASをたくさん使用して万全の注意を払ってやっています。

下顎に装置はほとんど着いていません。前歯のかみ合わせが深すぎて、装置をつけることができなかったのです。
すでに開始から12か月済んでいます。ようやく下顎にも装置が着けられるようになりました。
このように難症例は治療期間がかかります。

 

 

治療後 (4年3ヶ月の動的治療の結果)

お口元の写真
上の唇の突出は改善されました。下唇からオトガイまでのカーブが美しくなりました。
ガミースマイルが改善されました!
これが一番ではないでしょうか。

非抜歯ですが大きな変化ですね。

 
お口の中の写真
上下歯列ともにきれに配列できました。左右下写真
前歯の過蓋咬合が改善されました。かみ合わせが浅くなりました。中央上写真
前歯の傾斜は正しくなりました。歯根の骨と歯ぐきが後退しました。

上顎の奥歯と下顎の奥歯は正常になって、”T級大臼歯関係” となりました。
奥歯を治せば、このように前歯は自然に正常になるのです。左側の奥歯はしっかりとかみ合っています。左上写真

歯の内側に細い金属製のワイヤーが装着されています。
リテーナーワイヤーです。歯が動かないようにある期間留めておきます。特に下の奥歯には変化が大きかったので、これくらい十分な用心が必要です。年数の経過とともに減らしてゆきます。
評価

はスーパーインポーズといって、治療前と治療後のセフアロというレントゲンを重ね合わせて治療での変化を調べることができるものです。黒い線は治療前、赤い線は治療後です。

上顎の奥歯は、2〜3mmほど後退しています。
このような症例では奥歯を後退させないと、前歯の歯根を後退することはできません。

上顎前歯がいかに移動したかがよくわかりますね。
前歯の傾斜度を変化させずに、後退と圧下が行われています。
歯根が後方へ大きく移動しています。それに着いて骨の位置も後退しています。赤いラインの位置が変わってるでしょう?
歯冠(先端)の位置は前に出ています。これは仕方がありません。しかし、上下的な位置は大きく変化があります。

下顎前歯は前方に傾斜しています。
しかしながら、下唇は後退しています。元々に下唇は上顎前歯の先端が前に押し出していたからです。

治療療期間が4年3か月とはかなり長いです。
しかし、上顎前歯圧下と難易度の高さから適正な治療結果と考えます。
この症例は2018年の日本矯正歯科学会に発表しました。(自信作です。)

このような治療をできる機会は、一生涯のうちこれ一つくらいではないかと思ってます。

 

 


   

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●サイトの作製責任者 院長 好田春樹  歯学博士 日本矯正歯科学会認定医 日本矯正歯科学会専門医  
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